「Wine 5.5」リリース、UCRTライブラリへの対応を強化
WindowsアプリケーションをLinuxで動かすための互換性レイヤー「Wine」の開発チームは3月27日、最新版となる「Wine 5.5」を公開した。
Wine(Wine Is Not an Emulator)はLinuxやmacOS、各種BSD系などのPOSIX互換OS向けにWindows APIと互換性のあるAPIを提供するソフトウェア。仮想マシンやエミュレーターのようにハードウェアをエミュレートするのではなく、Windows APIをPOSIXコールに変換して実行するアプローチを採用しており、性能やメモリパフォーマンスへの影響を最小限に抑えることができるとしている。
Wine 5.5は1月に公開されたWine 5系の最新のポイントリリース。MicrosoftのUCRT(Universal URT)ライブラリの取り込みを進め、Wine 5.5では内蔵ライブラリが最新のUCRTベースのCランタイムを使用するようになった。また、Windowsバージョンのレポート時に互換性モードを使うようになった。
このほか、PEファイルのデバッグ情報のサポートを改善し、WebServicesでサポートする属性も拡大した。バグも多数修正されている。
Wine 5.5はプロジェクトのWebサイトより入手できる。