米Microsoft、.NET分散アプリケーションフレームワーク「Orleans 3.0」をリリース

 米Micosoftは10月30日、.NETで分散型アプリケーションを構築するためのクロスプラットフォーム対応フレームワーク「Orleans 3.0」のリリースを発表した。TLSのサポートなどが加わっている。

 OrleansはMicrosoft Researchで開発された分散型アプリケーション構築のためのフレームワーク。オブジェクト、async/await、try/catchなどのコンセプトを分散環境で利用でき、Virtual Actor Modelを用いることで信頼性、リソース管理など分散型の問題を緩和するという。Microsoftは2015年にプロジェクトをオープンソースで公開した。

 Orleans 3.0は、2018年に公開されたバージョン2に続くメジャーリリース。

 リクエストが多かったというTLSのサポートを実現した。また、ネットワーキングレイヤが新しくなり、ASP.NETのイニシアティブである「Project Bedrock」を土台としたものを導入した。Project Bedrockは高速かつ堅牢なネットワーククライアント/サーバーを構築することを目指すプロジェクトで、ASP.NETチームと共同でネットワーククライアントとサーバーの両方をサポートする抽出を設計、これにより設定経由でのネットワークトランスポートの変更が可能になったと言う。

 スケジューラやコードジェネレータも一新され、Vistual Studioで用いられているRoslynコード解析ベースのものとなった。クラスタ関連も強化した。

 .NET Generic Hostにより、同じプロセスでのASP.NET Coreなど他のフレームワークとの併用が容易になるという。汎用のホストビルダーを利用してサービスプロバイダを共有するなどのことが可能になるとしている。

 Orleans 3.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Orleans
https://dotnet.github.io/orleans/