カスタムリソースが正式機能に、「Kubernetes 1.16」リリース

 Kubernetes(k8s)開発チームは9月18日、コンテナ実装と管理のためのオーケストレーションツール「Kubernetes 1.16」公開を発表した。カスタムリソース機能が正式扱いになり、Windowsのサポートも強化した。

 Kubernetesは、Googleが開発しオープンソースとして公開するコンテナクラスタ運用と管理のプラットフォーム。Kubernetes 1.16は6月に公開されたバージョン1.15に続く最新版。合計で31件の強化が加わった。うち8件は安定扱いとなり、8件がベータ扱いに昇格している。

 バージョン1.7でベータとして導入したカスタムリソース(CRD;Custom Resource Definition)が安定扱いとなった。CRDは「ThirdPartyResources」プロトタイプを再設計するものとしてスタートした機能で、Kubernetes APIを拡張して独自リソースを定義できる。これまではオプション提供されてきた振る舞いがデフォルトになるという。

 ボリュームの処理も強化した。Container Storage Interface(CSI)のボリュームリサイズのサポートがベータとなり、任意のCSIに準拠したボリュームプラグインがリサイズ可能になった。

 新機能としてEndpoint Slices APIを導入した(アルファ扱い)。Kunerbetes内のネットワークルーティングにおいて、各ネットワークエンドポイントをEndpoint Slicesで追跡し、kube-Procyがそれを使ってプロキシルールを策定する。これにより、podsが簡単にやりとりできるという。これまでのエンドポイントよりもクラスタの拡張性と柔軟性を強化できるとしている。

 メトリクスも大幅な強化が加わった。これまではメトリクスの登録にグローバルメトリクスレジストリを使っていたが、メトリクスレジストリの実装により、透明性のある形で登録されるようになった。一部は非推奨となり、次期1.17では全ての非推奨メトリクスを削除する計画という。

 Windowsでは、Active Directory Group Managed Service Account(GMSA)サポートがベータを脱したほか、RunAsUserNameをアルファとしてサポートするなど、Windowsコンテナ向けのワークロード識別オプションを強化した。

 また、Kubernetesクラスタ構成ツールKubeadmで、Windowsワーカーノードをアルファサポートし、Linuxノードと同じように既存のクラスタに加えたり、設定できるようになった。として扱えるようになった。WindowsノードでのCSIプラグインも利用できるようになり、Linuxノードと同じように扱えるようになった。

 Kubernetes 1.16はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Kubernetes
https://kubernetes.io/