19回目のリリースとなる「OpenStack Stein」登場、Kubernetes関連機能を強化

 OpenStack Foundationは4月10日(米国時間)、オープンソースのクラウド基盤「OpenStack Stein」を公開した。

 OpenStackはオープンソースのクラウド基盤。クラスタノードの管理機能や仮想マシンの管理機能、ネットワーク設定機能などを提供しており、これを利用することで多数のコンピュータを組み合わせたクラスタ上で動的な仮想マシンの作成や管理を効率的に行える。プライベートクラウド構築に利用できるほか、パブリッククラウドを提供するための機能も備えており、世界で75以上のパブリッククラウド、多数のプライベートクラウドで利用されているという。

 OpenStack Steinは2018年8月末に公開された「OpenStack Rocky」に続くリリース。累計で19回目のリリースとなり、2020年10月10日までメンテナンスが行われる。

 OpenStackが擁する30近くのモジュールで機能強化が図られており、特にコンテナ機能、ネットワーク、リソース管理の3分野にフォーカスした。コンテナでは、OpenStack上で動くコンテナオーケストレーションのうち最も多いというKubernetesに関連した機能を強化した。認定を受けたKubernetesインストーラーのOpenStack Magnumでは、Kubernetesクラスタの起動時間を大幅に短縮し、ノードあたり10〜12分要していたのが、ノードの数に関係なく5分程度に短縮されたという。

 また、OpenStackクラウドプロバイダはManilla、Cinder、Keystoneサービスから完全に統合されたKubernetesクラスタを起動して、OpenStackクラウドを活用できるようになった。ネットワークサービスのNetronでもコンテナユースケースにフォーカスしたポートを高速に作成できるようになった。ベアメタルプロビジョニングのIronicでも、コンテナに関連した強化が加わっている。

 ネットワークそのものでは、NeutronでNetwork Segment Range Management機能を利用してクラウド管理者がセグメントの種類の範囲をダイナミックに管理できるAPI拡張が加わった。ネットワークを多用するアプリケーション向けに最小のネットワーク帯域を確保するために、Rockyで最小の帯域要件に基づきスケジュールができるようになった。

 リソース管理と追跡では、リソースリザーブサービスのBlazar、HadoopクラスタのプロビジョニングSaharaで強化が加わったほか、Steinでは新プロジェクトとしてPlacementが加わった。Novaプロジェクトから独立したものとなり、候補のリソースプロバイダをターゲットにできるようになり、ワークロードマイグレーションのためのホストを特定するタスクを容易にできるという。よくあるスケジュールオペレーションの場合、APIの性能を最大50%も改善するという。

 このほか、多数の機能強化が加わっている。OpenStack SteinはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

OpenStack
https://www.openstack.org/