「Debian 10(buster)」リリース
The Debian projectは7月6日、最新のメジャーリリースとなる「Debian 10 (buster)」をリリースした。ディスプレイサーバーとしてWaylandがデフォルトとなったほか、セキュリティ面でも強化が加わった。
2017年6月に公開したDebian 9 (stretch)に続くメジャーリリース。25ヶ月の開発工期をかけたもので、サポート期間は5年。Linuxカーネルは4.9系を採用している。
ディスプレイサーバーはXorgに代わってWaylandがデフォルトになった。Waylandはシンプルかつモダンな設計であり、セキュリティ面でのメリットがあるとしている。Xorgも継続してデフォルトで提供され、デフォルトのディスプレイサーバーとして選択できる。
Debianでは「Reproducible Builds」として異なる環境でも同じバイナリを再生成できる仕組みの構築を進めており、Debian 10の91%のソースパッケージがこれに対応できているという。これによって、コンパイラに細工をするような悪意ある攻撃に対応できるとしている。
アクセス制御フレームワークのAppArmourがデフォルトで有効となった。また、APTでは「seccomp-BPF」によるサンドボックスをオプションで使用できるようになっている。
ネットワークフィルタリングはデフォルトではnftablesベースとなった。あわせて、iptablesのバイナリパッケージにはiptables-nftとiptables-legacyの2つが含まれるようになっている。
Debian 7で最初に導入したUEFIのサポートも強化した。ドライバレス印刷のためのcupsとcups-filtersもデフォルトでインストールされる。
デスクトップ環境はCinnamon 3.8、GNOME 3.30、KDE Plasma 5.14、LXDE 0.99.2、LXQt 0.14、MATE 1.20、Xfce 4.12をサポート、パッケージもChromium 73.0、Firefox 60.7、Emacs 26.1、Python 3 3.7.2など新しくなっている。
The Debian project
https://www.debian.org/