「Debian 8.0 Jessie」リリース、systemdを採用

 Debian Projectは4月26日、Linuxディストリビューション「Debian 8.0 (Jessie)」をリリースした。2年ぶりの最新版となり、systemdがデフォルトのinitシステムとなるなど多数の特徴が含まれている。

 2013年5月に公開されたWheezyこと「Debian 7.0」に続く最新版。デフォルトのデスクトップ環境はWheezyではXfceだったのに対し、JessieではGNOME 3.14となった。このほか、KDE 4.11、Xfce 4.10、MATE、Cinnamon、LXDEなども利用できる。

 1万2253もの新しいパッケージを含む大型のリリースとなった。中でも、Debian 7で技術プレビューとして導入済みのsystemdがデフォルトのinitシステムとして採用された。既存のSysV向けinitスクリプトを利用するよう設定されており、sysvinitをそのまま置き換えられるとのこと。これによりサービス監視、ログ取得などが拡張されるとしている。UEFIのサポートも強化した。

 セキュリティも強化されており、SSLv3プロトコルが無効となった。システム暗号化ライブラリとアプリケーションはSSLv3をサポートしないようにコンパイルされており、これに合わせて多くのパッケージはセキュリティ強化を目的にコンパイラフラグが強化されているという。

 MySQL 5.5と平行してMariaDB 10.0が導入したほか、OpenJDKがデフォルトのJavaランタイムとなるといった変更もある。各種ソフトウェアのアップデートも行われており、Perl 5.20.2、PHP 5.6.7、Python 2.7.9および3.4.2、Samba 4.1.17などが利用できる。

 対応アーキテクチャは、i386、amd64、ARM EABI、ARMv7、MIPSなど。また、新たにarm64やppc64el(POWER 64ビットリトルエンディアン)のサポートが加わった。一方で、32ビットs390はs390xとなり、IA-64 とSPARCはサポート外となった。

 Debian 8.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Debian Project
http://www.debian.org/