「Firefox 67.0」リリース、仮想通貨のマイニングやフィンガープリントによる追跡をブロックする機能が実装される

 Mozillaは5月21日、Webブラウザ「Firefox 67.0」を発表した。性能の強化、仮想通貨のマイニングを防ぐ機能や、「フィンガープリント」による閲覧行動の追跡を無効化するための機能などが加わっている。

 Firefox 67は、3月に公開したバージョン66に続く最新版となる。本バージョンでは性能を強化するためにいくつかの対策を行った。たとえば、タイマー関数の実行優先度を下げたり、ページ読み込みの後に代替のスタイルシートをスキャンしたり、入力フォームがない場合はauto-fillモジュールを読み込まないなど、使われていない機能の優先順位を低くした。

 タブでも、空いているメモリが400MB以下になった時に使われていないタブをサスペンドするようになった。また、アドオンでカスタマイズしている場合でも、不要な作業を省略することで起動時間が短縮されるという。

 プライバシー保護では、「フィンガープリント」と呼ばれる、OSやブラウザ、端末の情報を使ったWeb閲覧履歴の追跡や、JavaScriptを使ってWebブラウザ上で仮想通貨の採掘(マイニング)を行うスクリプトマイニングを防止する機能を導入した。この機能を有効にするには、設定画面で手動で設定を行う必要がある。

 プライベートブラウジングも強化し、パスワード保存が可能になったほか、アドオンの有効化・無効化を設定できるようになった。

 このほか、動画コーデックであるAV1のアップデートによって動画の再生がスムーズになった。AV1はAlliance for Open Media(AOMedia)の下でMozillaがMicrosoft、Amazonなどと共同開発するロイヤリティーフリーの動画フォーマット。1月に公開したバージョン65でリファレンスデコーダーを搭載している。

 また、Windows 10でNVIDIAのGPUが利用できる環境では、最新のWebRenderを利用できるようになった。WebRenderはMozillaのGPUベースの2Dレンダリングエンジンで、Webブラウジングを高速化できるという。

 開発関連では、JavaScriptデバッガが高速になり、CSSメディア機能でユーザーがダークモードを要求したことを検出できるprefers-color-schemeを導入した。ダークモードなどユーザーの好みの色調に匹敵するスタイルを適用できるという。

Firefox
https://www.mozilla.org/ja/firefox/