Mozillaが「インターネットの健全性」を評価した年次報告書を公開

 Mozilla Foundationは4月23日、インターネットの健全性を調査した年次レポート「2019 Internet Health Report」を発表した。

 Internet Health ReportはMozillaが作成する年次レポート。専門家への聞き取り調査、データ分析と視覚化などを行うことで、インターネットが社会に与える影響を調べる。今年で3回目となる。

 オンラインの生活という点では、「50%がオンライン」という閾値を超え、我々はこれまでになく「コネクテッドな状態」であるという。コネクテッドにより得られるメリットがある一方で、「インターネットとソーシャルメディアが子供、雇用、民主主義に与える影響について心配もある」と記している。

 レポートは「Is it safe?」(プライバシーとセキュリティ)、「How open is it?」(オープン性)、「Who is welcome?」(デジタルインクルージョン)、「Who can succeed?」(スキル、リテラシー)、「Who controls it?」(コントロールと中央分散化)の5つの視点で作成されている。

 2019年のスポットライトとしてAI、デジタル広告、スマート都市の3つにフォーカスして作成した。たとえばAIでは、機械による意思決定の改善が必要とし、誰がアルゴリズムを設計したのか、どのデータをフィードしたのかなどを疑問に思う必要があるとしている。

 結論として、インターネットの健全性は「複雑になった」としている。「デジタル環境は地球と同じように複雑なエコシステムだ」とMozilla。FacebookとCambridge Analyticaのデータ不正流用などの事件を受けてプライバシーへの懸念が高まったり、Microsoft、Google、Amazonなど大手テック企業の社員が技術の用途に対して疑問を投げかける動きがあるなど、この1年、ポジティブなトレンドがたくさんあった一方で、インターネットの検閲が増え、バイオメトリクス技術の悪用、AIが不公平を増幅するなどの悪いトレンドもあったとしている。

「2019 Internet Health Report」
https://internethealthreport.org/2019/