Mozilla、研究開発助成プログラムMozilla Research Grantsの対象プロジェクトを発表

 Mozillaは11月28日、2018年後半のMozilla Research Grantsの対象プロジェクトを発表した。モノのWeb(Web of the Things)など、Mozillaがフォーカスする4分野4プロジェクトが選ばれた。

 Mozilla Research Grantsは、WebをオープンにするというMozillaのミッションの一部として、それにつながる研究開発を支援する助成プログラム。

 11月9日まで募集した最新ラウンドでは、「モノのWeb」、「コアのWeb技術」、「音声/言語/話し言葉」、「混合現実」の4つの分野からそれぞれ1つのプロジェクトを選んだ。助成金額は最大2万5000ドルとなっている。

 モノのWeb(WoT)では米ワシントン大学のインタラクションデザイン助教授のAudrey Desjardins氏がSchool of Art + Art History + Designで展開する「In)Visible Data: How home dwellers engage with domestic Web of Things data」が選ばれた。家庭におけるWoTのデータの取り組みの現状を分析したもので、将来の家庭でのWoTの方向性に重要と判断したという。

 コアのWeb技術では、イタリア・トリノ工科大学の制御とコンピュータエンジニア学部で助教授を務めるLuca Ardito氏のプロジェクトを選んだ。Ardito氏は「Algorithms clarity in Rust: advanced rate control and multi-thread support in rav1e」として、MozillaのRustプログラミング言語がコードのメンテナンス性を改善しながら複雑なアルゴリズムの実装を行うかを調べている。Mozillaはこの分野ではすでに、オープンでロイヤリティフリーのビデオエンコードフォーマット「AV1」に参加している。

 音声/言語/話し言葉では、米インディアナ大学ブルーミントン校のSUraj Chiplunkar氏のプロジェクト「Uncovering Effective Auditory Feedback Methods to Promote Relevance Scanning and Acoustic Interactivity for Users with Visual Impairments」をサポートする。Chiplunkar氏は同校情報科学、コンピュータ、工学科部の人間とコンピュータインタラクションデザインのプログラムを履修した卒業生で、現在のプロジェクトではWebを「聞く」方法を探っているという。

 混合現実では、米ミシガン大学の情報学部の助教授ichael Nebeling氏のプロジェクト「Rethinking the Web Browser as an Augmented Reality Application Delivery Platform」を支援する。複数のAR(拡張現実)アプリから同時に要素を表示する技術を研究しているもので、ミックスリアリティのエコシステムの活発化につながるとしている。

 Mozillaでは、2019年前半のラウンドに向けた公募を2019年春に開始する予定だ。

Mozilla Research Grants
https://research.mozilla.org/research-grants/

ワシントン大学School of Art + Art History + Design
https://art.washington.edu

トリノ工科大学制御・コンピュータエンジニア学部
http://www.dauin.polito.it

米インディアナ大学ブルーミントン校
https://www.indiana.edu

米ミシガン大学情報学部
https://www.si.umich.edu