「HHVM 4.0」リリース、PHPのサポートを廃止
米Facebookの「HHVM」開発チームは2月11日、最新のメジャーリリースとなる「HHVM 4.0.0」を公開した。HHVMはPHPベースの独自プログラミング言語「Hack」の実行環境で、本バージョンからはPHPのサポートが削除されている。
HHVM(HipHop Virtual Machine)は、PHPをベースに独自の拡張を加えたプログラミング言語Hackで実装されたプログラム向けの実行環境。JITコンパイラを利用することで高速な実行を可能にしている。当初はPHPで実装されたプログラムの実行も可能で、高速なPHP/Hack実行環境とされていた。
HHVM 4.0は、2014年3月に登場したバージョン3系に続くメジャーリリース。本バージョンからはPHPのサポートが終了となった。HHVM開発チームは2018年秋にPHPのサポートを段階的に終了する方針を発表しており、これに沿ったものとなる。
PHP Arraysにある特定の振る舞いを削除するなど、PHPとの互換性はなくなったが、<?phpなどのPHP固有タグの使用は現時点では可能としている。なお、<?phpのサポートは次のリリースで削除される予定で、これによりエラーメッセージが明確になるなどのメリットがあるとしている。
また、.hackファイル拡張子をサポートした。エディタやIDE(統合開発環境)が対応している場合、.hackファイルを利用できる。そのほか、HSL正規表現のサポートが実験扱いではなくなった。return-by-reference、ASPタグ(<% %>)のサポートも廃止され、create_function()も削除された。
PHP向けの依存性管理ツール「Composer」をHHVM上で実行することもできなくなった。HHVM開発チームは現在多言語をサポートするパッケージマネージャーへの移行に向けて作業しているという。Composer 1.8.4ではPHP経由でHHVMのバージョンを識別する機能があるため、Hackプロジェクト向けにComposerを利用する場合はPHP上でComposerを実行するよう対処法を解説している。
開発チームは合わせて、今後のリリーススケジュールも明らかにしている。次期版となる4.1は8週間後にリリース(その後8週間サポート)し、その後は毎週リリースするという。毎週のリリースサイクルでは、公開後6週間セキュリティサポートを行う。なお、長期サポート版は24週間おきに公開し、リリース後48週間のサポートが提供される。
HHVM
https://hhvm.com/