米Facebook、「HHVM」でのPHPサポートを終了する方針を発表

 米FacebookのHHVM開発チームは9月12日、PHPのサポートを段階的に終了することを発表した。HHVMはPHPプログラムを高速に実行する環境として開発がスタートしたが、独自言語「Hack」の誕生やPHP7の登場によってPHPサポートが廃止されることになる。

 HHVM(HipHop Virtual Machine)はPHPおよびHackで書かれたプログラムを高速に実行する環境。JITコンパイラを用いて高速な性能を実現しつつ、PHPが提供する開発の柔軟性を維持するのが特徴。PHPはバージョン5、7(一部)をサポートしている。最新版は8月末に公開したバージョン3.28。

 HHVMはPHPの高速実行環境としてスタートしたが、現在ではPHPを拡張した独自言語であるHackの実行環境という役割も担っており、PHP5についてはすでに年初にサポート終了を発表している。

 今回発表した計画によると、12月にリリース予定のHHVM 3.30でPHPのサポートは終了となる。予定では、12月3日に開発ブランチがカットされ、以降はマスターおよびnightlyビルドでPHPコードは動かなくなる。PHPをサポートする最後のバージョンとなる3.30を12月17日にリリースし、2019年1月28日公開予定のメジャーリリースHHVM 4.0ではPHPのサポートが完全に廃止される。また、HHVM 3.30のサポートは2019年11月19日までとなっている。

 開発チームはHackに移行するか、PHP7やほかのPHPランタイムに移行することを推奨している。

 HHVM開発チームは今後2~3年の目標として、Hackを一貫性のある静的型付け言語にするための作業を進めるとしている。Hack言語の開発を高速に進めることから、HHVMについてもLTSリリースではなく定期リリースを利用することを推奨している。それにあたってリリースサイクルを再検討するとしており、4週間のリリースサイクル/6~8週間のサポートにする可能性があるとしていた。

HHVM
https://hhvm.com/