RAW現像に対応するオープンソースの写真管理ツール「Darktable 2.6」リリース

 オープンソースの写真管理ツール「Darktable」の開発チームは12月24日、最新版となる「Darktable 2.6.0」を公開した。このところの機能拡張の方向性である画像編集を中心に機能強化が加わっている。

 Darktableは写真の管理やRAW形式データの現像、レタッチといった写真ワークフロー管理機能を提供するソフトウェア。写真データに対する非破壊編集、高速な処理、sRGB、Adobe RGB、XYZなどに対応するプロレベルのカラーマネジメントなどの機能を持ち、JPEG、CR2、NEF、HDR、PFM、RAWといった多様な画像フォーマットをサポートする。GPUによるアクセラレーションもサポートし、61種類のイメージオペレーションモジュールを持つ。Luaスクリプトによる処理の自動化も可能。

 Darktable 2.6は、2017年12月に公開されたバージョン2.4に続くリリース。新しいモジュールとして「retouch」が加わった。「spot removal」モジュールを置き換えるもので、spot removalよりも細かな調整ができるリタッチ機能となる。GIMPのhealツールから借用したという”シームレスクローン”アルゴリズムを利用して、クローンされた状況に合わせることができるという。

 同じく新モジュールとなる「filmic」は、単一のモジュールでイメージのトーンを管理できるツール。「base curve」モジュールの代わりに利用でき、明暗の差が大きいなどハイダイナミックレンジイメージ(HDR)に適しているという。

 「color balance」モジュールを書き直した。ProPhotoRGBとHSL、それぞれをベースとした2種類のモジュールが加わった。新しい色選択ボタンにより、ほとんどの調整が自動で行われるようになるという。

 トーンカーブ調整で新しい対数制御が可能になったほか、プロフィールモジュールを修復する新しいモードなども加わった。マスク処理を拡充するガイド付きのフィルタも加わり、細かな調整が可能になった。ユーザーインターフェイスも強化され、不具合も多数修正した。

 ハードウェアでは、実験的ながらPowerPC PPC64LEのサポートが加わった(使用時にOpenCLサポートを無効にする必要がある)。

 Darktable 2.6はWindows、Linux、macOS、BSD、Solaris11、GNOMEなどに対応、プロジェクトのWebサイトより入手できる。なお、データベースフォーマットが変更されているため、バージョン2.6の起動後はデータの後方互換性がなくなるという。

Darketable
https://www.darktable.org/