GIMPが最新開発版「GIMP 2.9.4」をリリース、次期版2.10に一歩近づく

 デジタルペイントツールGIMP開発チームは7月13日、最新開発版「GIMP 2.9.4」を公開した。次期安定版となるバージョン2.10に向けた開発版となり、外観、色管理などの機能が強化されている。

 GIMP 2.9.4は2.9系の2回目の開発リリースとなり、2015年11月に公開したGIMP 2.9.2に続く最新版となる。最新安定版は2012年5月に公開された2.8系。GIMP開発チームは7月14日に最新の「GIMP 2.8.18」をリリースしている。

 ルックアンドフィールを改善し、新しいテーマを複数用意する。背景は明るい灰色から暗めの灰色まで5段階あり、システムテーマもデスクトップアプリケーション全体を通じて一貫性のあるものとなった。アイコンも新しくなるが、既存のアイコンも残り、ユーザーは新旧アイコンの切り替えができる。利便性も強化し、設定ダイアログの改善などを行った。

 また、これまでのプラグインモジュールだった色管理のColor Managementがコア機能に昇格した。オープンソースの色管理エンジン「LittleCMS」の依存を減らし、GimpColorTransformとしてLittleCMSから抽出できるオブジェクトが加わった。将来的には、GIMPはWindowsとMac OS XでネイティブのAPIを利用したり、オープンソースの色管理ソリューションであるOCIO(OpenColorIO)を使えるようにするという。

 合わせてコードをクリーンにし、カラースイッチ、グラデーション、パターン、色ウィジェットのプレビューなどのコードが整理された。また、Generic Graphics Library(GEGL)ベースのフィルターの利用を追跡し、再実行できるようになった。

 Linux向けでは、オープンソースのデジタル写真ワークフローツール「Darktable」と連携するプラグイン「file-darktable」が加わった。Canon CR2、Nikon NEFなどのDSLRからRAW画像プリプロセスに利用できる(file-darktableはLua対応のみ有効)。UFRawなど他のツールも継続して利用できる。

 スクリーンショット取得のためのコードも書き直し、Windows、Mac OS X、Wayland、X.orgと、各OS環境毎にコードを分割した。

 また、新しいMyPaint Brushツールがデフォルトで有効になり、左右対称にペイントするシンメトリーペイントが加わるなど、ペイント関連でも多数の新機能が加わっている。

 GIMP 2.9.4はGIMPプロジェクトのWebサイトより入手できる。2.9.4は開発版であり、利用には注意が必要とされている。

GIMP
https://www.gimp.org/