Java向けのO/Rマッピングフレームワーク「Apache Cayenne 4.0」リリース

 O/RマッピングフレームワークApache Cayenne開発チームは8月20日、最新のメジャーリリースとなる「Apache Cayenne 4.0」公開を発表した。

 Apache CayenneはJavaのO/Rマッピングのためのフレームワークで、データベーススキーマを直接Javaオブジェクトにバインドし、SQLの生成や結合、シーケンスなどの管理ができる。GUIマッピングツールのCayenneModelerを利用したRDBMSスキーマのリバースエンジニアリングやO/Rマッピングオブジェクトの編集なども可能で、一貫性のあるAPI、拡張性、データ暗号化などの機能も備える。

 Cayenne 4.0は、2010年に初公開されたバージョン3に続く最新のメジャーリリース。2012年5月に開発を開始し、29人の開発者が加わり、2420以上のコミットがあったと報告している。JDKは1.7、1.8で検証済み

 フレームワークAPIでは、チェーン可能なシンタックスを持つFluent Query APIを導入した。ObjectSelect、SQLSelect、SelectByIdなどのクエリを使って、クエリアセンブリと実行コードを1行で実装できるという。

 また、ポジショナルパラメーターバインディングとして、パラメーターのバインディングを容易に行う手法を導入した。Transactional API、Property APIなども強化した。

 設定関連では、3.1で導入した依存性挿入とServerRuntimeをさらに強化し、拡張のあるランタイムを作成できるツールが加わった。Cayenneを統合するのに必要なコードを削減できるという。また、O/RマッピングなしにServerRuntimeの起動が可能になった。Cayeeneをスタックとして使って生のSQLを実行するといった場合に便利だという。JCacheモジュールも導入、互換性のあるキャッシュを含むことができる。

 CayenneModelerはUIが新しくなり、属性と関係を同じビューで編集できるようになるなど操作が容易にできるようになった。DataMap XMLモデルのリスナーのサポートをXMLとModelerから削除した。

 開発ツールでは、Gradle Plugin機構を導入、cdbimport、cgenなどのツールをビルドプロセスで統合できるようになった。

Apache Cayenne
https://cayenne.apache.org/