Scala向けのORマッパー「Slick 2.0」公開

 米Typesafeは1月21日、Scala向けのデータベースクエリ・アクセスライブラリ「Slick 2.0」を公開した。Scala内でオブジェクトとデータベースのマッピングを行うもので、開発者はアプリケーションとリレーショナルデータベースの接続を効率化できるという。

 Slick(Scala Language Integrated Connection Kit)は以前はScalaQueryと呼ばれていたファンクショナル・リレーショナルマッピング(FRM)機構。Scala開発者がSQLデータベースに接続するためのフレームワークで、包括的なクエリコンパイラを持つ。これを利用することで、Scalaコレクションを利用するのと同じ感覚でデータベースに保存されたデータや遠隔にあるデータを利用できるという。SQLではなくScalaでデータベースクエリを作成できるため、静的チェックやコンパイルレベルでの安全性、モジュラー性などのScalaの特徴を活用できる。対応するデータベースはDerby/JavaDB、H2、HSQLDB/HyperSQL、Microsoft Access、Microsoft SQL Server、MySQL、PostgreSQL、SQLiteなど。

 Slick 2.0は、2013年2月に公開されたバージョン1.0以来のメジャーアップデートとなる。新機能として、テンプレート集のTypesafe Activator Templateを利用できるようになった。Typesafe ActivatorはTypesafe Reactive Platformのブラウザベースのツールで、Typesafeは2013年8月に公開している。これにより、すぐにSlickを利用できるという。

 また、ドライバアーキテクチャが一新され、非SQLおよび非JDBCデータベースのサポートが強化した。コードジェネレーターも改良され、データベーススキーマをリバースエンジニアすることで、Slickに必要なコードをすべて生成するという。単一のクエリで複数のデータベースからのテーブルを利用できるクエリスケジュールも実験的ながら導入されている。

 なお、バージョン1系と一部互換性がない部分もあるとのことで、開発チームはマイグレーションガイドを公開している。

 Slick 2.0はプロジェクトのWebサイトから入手できる。ライセンスはBSD License。

米Typesafe
http://www.typesafe.com/

Slick
http://slick.typesafe.com/