「NetBSD 8.0」リリース、USB 3のサポートやセキュリティの強化などが導入される
The NetBSD Projectは7月17日、フリーのUNIX系OS「NetBSD 8.0」を公開した。USB 3のサポートなどの新機能が加わっている。
NetBSDは高い移植性を特徴とするBSD系OS。NetBSD 8.0は2015年に登場した7系からのメジャーリリースとなる。メジャーリリースとしては16回目のリリースとなる。
USBスタックの強化によりUSB 3仕様のサポートを実現した。ネットワークスタックでは一部がMPSAFEに対応した。有効にするためには、カーネルオプションの NET_MPSAFEが必要となる。また、CANバス上でのデバイスのやりとりを実現する新しいソケットレイヤーが加わった。カーネル内オーディオミキサーaudio_systemも導入した。
ユーザーランドの完全なデバッグ情報を提供するようになった。ベースシステム、Xバイナリとライブラリの全シンボル情報を提供するもので、エラー報告とユーザーランドのクラッシュ解析を改善するという。インストールメディアの多くには含まれていないため、debugとxdebugは別途ダウンロードする必要がある。
i386とamd64では、CPUの脆弱性であるMeltdownの緩和策として、SVS(Separate Virtual Space)がデフォルトで有効になった。SpectreV2向けのretpolineも用意し、SpectreV4の緩和策も用意する。SMAPをサポートしたほか、UEFIブートローダもサポートした。脆弱性のあるIntel CPU上でLazy FPUが無効になった。
PaX MPROTECTメモリ保護がデフォルトで実行されるようになった(i386、amd64、evbarm、landisk、sparc64)。アドレス空間配置のランダム化であるPaX ASLR(Address Space Layout Randomization)もデフォルトで有効になった(i386、amd64、evbarm、landisk、sparc64)。
このほか、GCCが5.5に、GDBが7.12に、GNU binutilsが2.27に、Clang/LLVMが3.8.1になるなど、パッケージもアップデートした。
The NetBSD Project
http://www.netbsd.org/