性能強化を継続、プライベートモードでのプライバシー保護も改善した「Firefox 59」

 Mozillaは3月13日、Webブラウザ「Firefox 59」を公開した。性能の強化、プライバシーの改善など多数の機能が加わっている。

 Firefox 59は、1月に公開した「Firefox 58」に続く最新版。Firefoxでは「Firefox 57(Quantum)」で新しいエンジンの導入、Firefox 58ではグラフィックレンダリングの大幅な強化が行われていたが、本バージョンでも性能の強化に大きなフォーカスが当たっており、ページの読み込み時間を改善したという。これはRace Cache With Networkとして、ネットワーク化されたキャッシュ、またはユーザーのハードドライブ上のキャッシュを利用することで実現しているという。Firefox Homeページの読み込み時間も改善したほか、Windows向けにバージョン58で実現したOff-Main-Thread Painting(OMTP)を利用したグラフィックレンダリングの改善をMac向けでも提供する。

 プライベートブラウジングモードでは、リファラからのパス情報を削除するようになった。貼られているリンクをクリックして新しいWebサイトに移動する際、新しいWebサイトはどこから来たのかの情報(リファラ値)を受け取るが、これはユーザーのアクティビティをWebサイトに伝えることになる。最新版ではリファラからのパス情報を削除することで、外部のデータ漏えい、クロスサイト追跡などを予防できるとしている。

 Firefox Homeでは、トップサイトの再編をドラッグ&ドロップでできるようになり、ウィンドウやタブのカスタマイズの方法が増えた。また、Firefox Screenshotsを強化し、保存したスクリーンショットにハイライトできるようになった。スクリーンショットの閲覧領域の変更も可能になった。Real-Time Communications(RTC)、WebExtensions APIなども強化し、バグも修正した。

 開発関連では開発ツールを強化し、HTMLではtextarea要素のautocomplete属性を実装した。CSSも多数の細かな機能が加わった。APIではPointerEventsがデスクトップ版で有効になった。

 Android版では、ホームボタンの長押しで検索ができる「Firefox as an Assist App」を導入した。HLS(HTTP Live Streaming)再生をサポートし、動画サイトとの互換性を改善するという。デスクトップ版のプライベードブラウジングモードのプライバシー機能も、Android版に実装されている。

 Mozillaは合わせて、最新版より「Amazon Fire TV」向けのFirefoxの最新版も発表した。エンタープライズ向けの「Firefox Quantum for Enterprise」がベータになったことも発表している。

Firefox
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