「Firefox 58」公開、WebAssemblyやGecko強化によりさらに高速に
Mozillaは1月23日、オープンソースのWebブラウザ「Firefox 58」をリリースした。Geckoのモダン化、WebAssemblyの高速化といった変更が加わっている。
Firefox 58は、2017年11月に公開した「Firefox 57」(「Firefox Quantum」)に続く最新安定版。
レンダリングエンジン「Gecko」のモダン化を進め、「Off-Main-Thread Painting(OMTP)」を導入した。CPUのメインスレッドとGPUへのオフスレッドを使い分けることでグラフィック性能を改善する新技術で、Direct2Dでテストしたところ、OMTPがあるときはない時と比べてマイクロベンチマークのFPSが30%改善するなどの効果が出ているという。OMTPはWindows版で利用できる。
Webブラウザで実行できる移植性の高いバイナリコンパイルフォーマット「WebAssembly」では、ストリーミングコンパイルのサポートを追加することで高速化を図った。ダウンロード完了前にブラウザがコンパイルを開始できるようになり、ダウンロード完了後モジュールをすぐに使うことができるという。これにより速度を10〜15倍改善できるとしている。
Firefox Screenshotsも改善し、プライベートブラウジングモードでも利用できるようになった。また、スクリーンショットを直接クリップボードにコピー&ペーストできるようになった。
開発関連でも多数の強化が加わっている。JavaScript関連では、ES2015で導入された非同期処理のためのモジュール「Promises」で、Promisesの解決/却下に関係なくコードを走らせる.finally()メソッドが加わった。CSSでは、フォントの表示を決定するfont-displayディスクリプタが有効になった。
また、PerformanceNavigationTiming APIを実装し、サービスワーカーの起動時間を測定するPerformanceResourceTiming.workerStartも加わった。
セキュリティではSpectreへの対応を始め、重要な脆弱性を修正した。
Firefox 58はデスクトップ(Windows、Linux、macOS)、モバイル(Android)をプロジェクトのWebサイトより入手できる。
Firefox
https://www.mozilla.jp/firefox