「Android Studio 3.0」公開、Kotlinのサポートが加わる

 Googleは10月25日、Android向け統合開発環境(IDE)「Android Studio 3.0」を発表した。Kotlinのサポート、Java 8サポートの強化、Android Things対応といった機能が加わっている。

 Android StudioはGoogleが提供するAndroidアプリケーション開発ツール。コードエディタ、デバッガ、性能分析ツール、ビルドシステムなどが含まれており、瞬時にビルドとデプロイができるという。

 Android Studio 3.0は2016年4月に公開されたバージョン2に続く最新のメジャーリリース版。5月のイベント「Google I/O 2017」で発表されたもので、アプリケーション開発をさらに加速するための機能が特徴となる。オープンソースのIDE「IntelliJ」をベースとしており、ベースとなるIntelliJのバージョンは2017.1。

 本バージョンではプログラミング言語Kotlinを公式にサポートした。既存のAndroid対応言語とランライムとの相互運用性もあり、コードの自動補完、シンタックスハイライトなどを使えるという。今後もエディタ機能の対応を進める計画という。言語ではまた、Java 8の言語仕様のサポートも改善した。javacベースのツールチェーンに移行し、これまでより容易にJava 8の言語仕様を使うことができるという。

 新しいウィザード「Adaptive Icon Wizard」を導入した。端末毎に異なるアプリアイコンを作成することを支援するツールで、さまざまなデバイスでアイコンがどのように見えるかをプレビューする機能もある。

 IoTプラットフォームの「Android Things」に対応、Android Thingsプラットフォーム向けに開発できるようNew ProjectウィザードとNew Moduleウィザードで新しいテンプレートが加わった。

 ビルド関連では、インストールなしに動かせる軽量のAndroidアプリ「Instant App」のサポートが加わった。また、Gradleベースの大規模なプロジェクトの速度を改善するため、Gradleプラグインを変更した。後方互換性がない変更であり、今回バージョン番号を2.4から3にする原因になったという。そのほかAndroid Support Library、Google Play Service、Firebase Mavenなどへの依存性のアップデート時のデフォルト確認先がAndroid SDK ManagerからGoogleのMaven Repositoryに変更された。これによって高速で小規模なアップデートを簡素化できるという。

 テストとデバッグでは、Android Oreo(Android 8.0)向けのエミュレータシステムイメージが新しくなり、Google Play Storeが含まれるようになった。Android Emulatorも強化し、OpenGL ES 3.0のサポートが加わった。Android Emulatorからバグレポートが作成できるようになった。

 プロキシを使ったアクセスが可能になり、エミュレータを迅速に起動できるという「Quick Boot」も実験導入した。

Android Studio
https://developer.android.com/studio/index.html