マルチプロセス技術「E10S」を導入した「Firefox 54」リリース
Mozillaは6月13日、WebブラウザFirefoxの最新版「Firefox 54」を公開した。WindowsおよびmacOS、Windowsに対応するデスクトップ版およびAndroid版が提供されている。性能改善に向けたマルチプロセス技術「Electrolysis(E10S)」を導入、「Firefox最大の変化」とその重要性を形容している。
Firefox 54は、4月に公開されたバージョン53に続く最新版。Firefoxチームは「過去最高のFirefox」と紹介している。本バージョンではマルチプロセス技術Electrolysis(E10S)が導入された。Mozillaによると、平均的なWebサイトは2.5MBであり、これまでは1つのタブで複雑なサイトを開いている場合、ほかのタブにも影響を与えていた。E10Sでは開いているタブに対し最大4プロセスを使って処理を実行でき、1つのタブで開いている重いWebページが他のタブのレスポンスや速度に与える影響が大きく軽減されるとしている。
また、Mozillaの調査では、Windows 10やmacOS、Linuxでのメモリの使用を比較したところ、いずれのOS上でもFirefoxはInternet Explorer、Google Chrome、Safariと比較して使用するメモリが少ないという結果が得られたことも報告されている。
このほか、ダウンロードボタンとダウンロードの状況を示すパネルを簡素化し、分かりやすくした。「重要」と分類されるセキュリティを含むバグも修正された。
開発者向け機能も強化されている。開発ツールでは、ネットワーク要求サマリで実際に転送されたデータの量を表示するようになった。CSSではclip-pathでの基本シェイプの対応、CSS Animatoinsでのバグ修正など細かな変更が加わり、JavaScript、DOM、HTML DOMもそれぞれ強化されている。
Android版ではブルガリア語など言語のサポートが加わり、セキュリティ関連の不具合も修正されている。