Docker対応を強化、language-server-protocolもサポートしたクラウドIDE「Ecipse Che 5.0」が公開
Eclipse Foundationの「Eclipse Che」開発チームは11月15日(カナダ時間)、クラウド統合環境(IDE)プラットフォームの最新のメジャーアップデートとなる「Ecipse Che 5.0」を発表した。Docker、OpenShiftなどのサポートを強化したほか、language-server-protocolのサポートなどが加わっている。
Eclipse CheはWebブラウザ上で動作するクラウド統合開発プラットフォームで、次世代のEclipseとしてフォーカスしている。開発を主導するCodenvyがホスティングするSaaS版と、ローカルにインストールして利用できるローカル版、Amazon Web Services/Microsoft Azure/Googleプライベートクラウドで利用できるクラウド版の3種類がある。
2016年始めにプロジェクトが立ち上げられ、その後過去2ヶ月で60万時間の利用があったという。貢献者は70人以上あり、約550種のフォークがGitHub上に登場しているという。企業の利用も進んでおり、Codenvyのほか、独SAP、米Red Hat、韓国Samsung、米Dockerなどが利用しているという。
Eclipse Che 5.0では、開発ワークスペースでDocker Composeファイルと標準のDockerfileをサポートする複数のマシンを動かせるようになった。ワークスペースではまた、「ワークスペースエージェント」として、SSH、ターミナルアクセスなどのサービスを直接ワークスペースから動的に挿入できるようになった。
Codenvy、Red Hat、Microsoftが共同開発を進める言語サーバプロトコル「language-server-protocol」のサポートも加わった。language-server-protocolはソースコードの自動補完などの機能をクライアント/サーバー型で提供するためのプロトコルで、Che 5.0ではJSON、C#、PHPを利用できる。
また、新たに運用環境への実装段階でのトラブル発見を防止する「Dev Mode」も導入された。実運用環境向けのイメージファイルをベースにソースコードやアーティファクト、SSHエージェントなどのデバッグ/開発に必要なツールを組み込むもので、実運用環境での問題解決に有用だという。
開発者のソフトウェアや環境に基づいてCheワークスペース向けにカスタムランタイムを作成し、必要なエージェントとリソースを管理できる「スタックエディタ」も導入した。またデスクトップIDEとの互換性も強化した。ワークスペースとプロジェクトをローカルにあるIDEとライブ同期できるという。
Red HatのPaaS「OpenShift」については、Cheプロジェクトを実装できるプラグインをすでに提供しているが、バージョン5.0ではOpenShiftのポッドとして運用できるワークスペースランタイムを配信できるようになった。
PHPのサポートも強化し、シンタックスチェック、自動補完、検索、デバッグなどが加わった。これによりPHPが利用できるブラウザベースのIDEという点で最も高機能なIDEになったとしている。
Eclipse Che
http://eclipse.org/che