Mozillaが「Rust 1.3」を公開、安定性とパフォーマンスの向上が行われる

 MozillaのRust開発チームは9月17日、プログラミング言語Rustの最新版となる「Rust 1.3」をリリースした。安定性が強化されたほか、各種標準ライブラリの改善などが行われている。

 Rustは高速な処理やメモリの安全性、スレッドセーフなどを特徴とするプログラミング言語。優れたガベージコレクタを有し、ランタイムオーバヘッドを最小限に抑えるという。

 Rust 1.3は8月に公開された「Rust 1.2」に続く最新版。本バージョンではまずAPIの安定化にフォーカスした。具体的には、新しいAPIとなるDurationの導入、ErrorやHash/Hasherなどの強化などがある。

 標準ライブラリも強化されており、部分文字列取得のための処理でより効率的なアルゴリズムが使われるようになった。また、zerofill処理を改善することでVec::resizeやRead::read_to_endといったメソッドが高速化されているという。このほか、スライス上のPartialEq実装の高速化といった機能強化も加わっている。パッケージマネージャのCargoも強化された。

 Wndows XPの暫定的サポートも改善され、標準ライブラリの一部コードの利用を回避することでWindows XP向けにRustコードをコンパイルできるようになっているという。また、MSVCツールチェーンの統合についても継続して進めており、1.4でフルサポートを予定しているという。i686 FreeBSDの暫定的サポートも加わり、Fedoraベースのシステムへのインストールのバグも改善した。

 開発チームはRusy 1.3のリリースに合わせて、先進的なユーザーに向けた新しいドキュメンテーション「The Rustonomicon」のドラフト版も公開している。

Rust
http://www.rust-lang.org/