「Rust 1.2」リリース、性能強化やMSVCツールチェーンの実験的対応などが行われる

 Mozillaが開発するプログラミング言語「Rust」開発チームは8月6日、最新版となる「Rust 1.2」を公開した。コンパイラの性能強化にフォーカスした機能強化が加わっている。

 Rustは高速性やスレッドセーフなどを特徴とするプログラミング言語。ガベージコレクタを持たず、ランタイムのオーバーヘッドを最小限に抑えているという。また、効率の良いCバインディング、インターフェイス型、パターンマッチングなどの機能を持つ。

 Rust 1.2は5月に公開した1系の最新版で、6月末にリリースした「Rust 1.1」に続くものとなる。コンパイラの性能強化が行われており、全体/並列codegenの2点から改善を図ったという。これによってコンパイラは1.16から1.62倍高速になったといい、また並列コード生成が再び有効となり、4コアマシン上でのブートストラップ時の速度が最大33%改善されるという。パッケージ管理ツール「Cargo」についても性能を大幅に改善した。

 Dynamically-sized-type(DST)とする動的サイズ型の作業を完成させ、RCのようなスマートポインターがシームレスにアレイとトレイトオブジェクトに適用できるようになり、Rc<[T]>のような利用が可能となった。

 Microsoft Visual C(MSVC)ツールチェーンのサポートも実験導入した。これによってネイティブのWindowsツールチェーンを使って構築したコードを直接リンクできるようになっている。

 Rust 1.2はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはMIT License。開発チームはRust 1.2と同時に、「Rust 1.3」のベータ版もリリースしている。

Rust
http://www.rust-lang.org/