Qtの統合開発環境(IDE)「Qt Creator 3.2」リリース

 フィンランドDigiaのQt Projectは8月19日、WindowsやMac OS X、Linuxなどで動作するQt向け統合開発環境(IDE)最新版「Qt Creator 3.2.0」をリリースした。テキストエディタ、C++コードモデルなどで細かな機能強化が加わった。

 Qt CreatorはC++やECMAscript(JavaScript)、QMLなどに対応するQt開発者向けの統合開発環境(IDE)。QtベースのUIやアプリケーションを開発できる。コードエディタ、デバッガー、GUIデザイナなどの機能を持ち、BazaarやClearCase、CVS、Git、Mercurial、Perforce、Subversionなどのバージョン管理システムにも対応する。WindowsやMac OS X、Linuxに対応するクロスプラットフォームアプリケーションで、AndroidやiOS、QNX、Windows Phoneなどのモバイルプラットフォーム向け開発にも対応する。

 Qt Creator 3.2.0ではテキストエディタでのブロック編集機能が強化され、選択した行を同時に編集できる「カラム編集」が可能になった。エディタではこのほか、ブックマークライン番号のマニュアルでの編集、エディタポップアップのサイズ調整などもサポートした。

 ヘルプでは、ヘルプモードを無効にすることなく外部ウィンドウで開くよう設定可能となった。最新のQt 5ドキュメンテーションが表示されないバグも修正した。ページのアップ/ダウン操作に対するのショートカットが加わり、検索ペインでドキュメンテーションインデックスを再生成するボタンも用意した。

 C++サポートでは、ISO/IEC 9899:1999(C99)で規定されている指示付き初期化子や文字列の連結をサポートした。LexerではUTF-8のサポートが加わり、ラムダ式のサポートやClang統合のためのインフラも改善した。QMLプロファイラでは性能と安定性を強化し、デバッグ機能、Analyzer、Qt Quick Designerなどの機能もバグの修正や機能強化が加わっている。

 Qt Creator 3.2.0はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。なお、本バージョンではMac OS X 10.6(Snow Leopard)のサポートが削除された。すでに作成済みのアプリケーションには影響ないとしている。

Qt Project
http://qt-project.org/