「Qt Creator 3.1」リリース、iOSサポートがデフォルトで有効に

 フィンランドDigiaは4月16日、クロスプラットフォームに対応する統合開発環境(IDE)「Qt Creator 3.1.0」をリリースした。Clangベースのコードモデルが統合され、iOSサポートが正式サポートされるなどの強化が図られている。

 Qt CreatorはWindowsやMac OS X、Linuxなどさまざまな環境で動作するIDE。C++およびJavaScript、Qt独自の開発言語である「QML」を利用したアプリケーション開発が可能。コードエディタ、ビルドやデバッグなどの機能を持ち、Subversion、Git、Perforce、Bazaar、CVS、Mercurialなどによるソースコード管理もサポートする。

 Qt Creator 3.1.0は2013年12月にリリースされたバージョン3系の最新版となり、バグの修正と機能の強化が行われた。大きな特徴として、ClangベースのC/C++コードモデルをコード補完やセマンティックハイライトのオプションとして利用可能になった。これにより整合性を改善できるという。同プラグインは実験段階であり、利用にはヘルプからプラグインを選択して有効にする必要がある。

 Beautifierプラグインも実験導入した。外部のソースコードフォマッターをファイルで利用できるもので、現在Artistic Style、Clangフォーマット、Uncrustifyをサポートしている。

 iOSサポートについてはこれまで実験的な扱いだったが、本バージョンからデフォルトで有効となり、QMLデバッグやプロファリングもサポートされた。QNXやAndroidといったOSのサポートも強化され、WinRT(Windows Runtime)の実験的サポートも加わった。Windows RTとWindows Phoneについてもサポートが強化されている。

 デバッグ関連では旧バージョンのGDBサポートが削除された。GDBが持つPythonによる機能拡張を利用するため。LLDBによるデバッグ作業も改善された。

 Qt Creator 3.1は「Qt Enterprise Embedded」のアップデートに含まれるほか、スタンドアロンパッケージも公開されている。オープンソース版のライセンスはLGPL。

Qt Creator
http://qt-project.org/wiki/Category:Tools::QtCreator