Androidサポートが実験的に加わった「Qt Creator 2.6」リリース
フィンランドDigiaは11月8日、クロスプラットフォームのC++統合開発環境(IDE)「Qt Creator 2.6」を公開した。実験的にではあるがAndroidのサポートが加わり、管理面も大きな変更が加わっている。
Qt Creatorは、クロスプラットフォームのアプリケーション開発フレームワーク「Qt」向けのIDE。C++およびJavaScriptをサポートするコードエディタ、UIデザイナー、プロジェクトやビルドの管理、バージョン管理など多数の機能を持ち、モバイルおよびデスクトップ向けのアプリケーションを作成できる。QtはTrolltechを買収したフィンランドNokiaの事業として開発が進められてきたが、Nokiaが8月にQt事業をDigiaに売却、現在Digiaの下で開発が進んでいる。
Qt Creator 2.6は5月にリリースされたバージョン2.5以来のメジャーリリースとなる。Qtユーザーのほぼ全員に影響する変更として、プロジェクト設定における「ターゲット」の変更が挙げられている。具体的には、ターゲットとするデバイス種類の設定が「キット」に変更されており、ここでデバイスの設定(デスクトップ、リモートLinuxなど)だけでなく、sysroot、コンパイラ、デバッガ、利用するQtのバージョンなどを設定できる。キットは「ビルドと実行」の画面よりアクセスできる。
このほか、Androidポートを行うNecessitasプロジェクトからのコード寄贈により、Androidの実験的サポートが実現した。プラットフォームでは、カナダResearch In MotionのQNX/BlackBerryプロジェクトにも対応する。同時に、Symbian対応は終了となった。
Gitコードレビューツールの「Gerrit」の対応も実験的に加わっており、Qt Creatorと一部機能の連携が可能という。C++11対応も強化されている。
Qt Creator 2.6はWindowsおよびMac OS X、Linuxに対応、プロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。ライセンスはGPLv3およびLGPLv2、商用ライセンスのトリプルライセンス。
フィンランドDigia
http://www.digia.com/