「PyPy 2.3」リリース、新たにOpenBSDをサポート

 PyPy開発チームは5月9日、Pythonで実装されたPythonインタープリタ「PyPy」の最新版「PyPy 2.3」をリリースした。対応プラットフォームにOpenBSDが加わったほか、バグの修正やコードのクリーンアップを進め性能を改善した。

 PyPyはPythonで実装されたPython実行環境で、Cで実装されたPythonの標準実装「CPython」と互換性がある。機能を限定したPython実行環境である「RPython」を使って実装されており、Just-In-Time(JIT)コンパイルによる高速なコード実行やサンドボックス機能、メモリ消費量の削減、デフォルトでのStacklessモード実装などの特徴を持つ。ライセンスはMIT License。

 PyPy 2.3は2013年11月に公開されたバージョン2.2に続く最新版で、CPython 2.7.6との互換性を持つ。stdlibも2.7.6にアップデートされている。本バージョンでは新たにOpenBSDプラットフォームでの実行が可能になったほか、利用されていないコードや古いコードが削除され、リファクタリングが進められているという。この一環としてRPythonが切り離され、単独でほかのプロジェクトでの利用が可能になった。ARMポート、JITトレースなどのバグも修正され、安定性と性能が強化されている。

 このほか、数値演算ライブラリNumPyのサポート改善、インデックス作成、スカラー、データ型オブジェクトなどの機能を修正した。なおNumPyを利用する際は、別途NumPyをインストールする必要がある。

 PyPy 2.3はプロジェクトのWebサイトで公開されており、ソースコードのほかLinux(x86/x86_64およびVFPv3をサポートするARM v6/v7)、Mac OS X(64ビット)、Windows(32ビット)向けのバイナリなどが公開されている。また、64ビット版Windowsサポートは進んでいないとされている。

PyPy
http://pypy.org/