「Dart SDK 1.3」リリース、サーバーサイドでの処理性能が大きく向上

 米Googleは4月9日、プログラミング言語「Dart SDK 1.3」を公開した。サーバーサイドでの処理性能を大きく改善したという。

 DartはWebアプリケーション構築などの用途に向けたプログラミング言語。JavaScriptを置き換えるものとして開発されており、クラスベースのオブジェクト指向、高いセキュリティなどを特徴とする。2011年秋にオープンソースプロジェクトとして発表、BSDライセンスで公開されている。クライアントサイドとサーバーサイドの両方で利用でき、クライアントサイド向けではJavaScriptへのコンパイルが可能。コンパイルされたコードはGoogle ChromeやFirefox、Internet Explorer、Opera、Safariといった主要なWebブラウザで動作する。また、Dartコードをそのまま実行できるChromeベースのWebブラウザ「Dartium」なども開発されている。

 Dart 1.3は2月末に公開されたバージョン1.2に続く最新版となる。本バージョンではサーバーサイドでの実行性能が強化されているという。特に非同期でI/O処理を実行した場合、2倍ものパフォーマンス向上が見られるという。また、世代型ガベージコレクタの利用、仮想マシンコンパイラの最適化なども行われている。

 ベンチマークテストでは、単純な文字列を返す「Hello」、容量100KBのファイルを読み込んでそれを返す「File」、JSON形式で簡単なデータを返す「JSON」の3種類の処理を実装して1秒あたりに処理できるリクエスト数を調べたところ、Dart 1.1やDart 1.2と比較して「Hello」と「JSON」では2倍以上となり、「File」でも1.3倍程度と性能向上が見られたという。ほかのサーバーサイドアプリケーション開発言語と肩を並べられる性能とのことで、またDartではクライアントおよびサーバーで同じ言語やライブラリを使って開発を行える点を利点として挙げている。

 また、Dart向けWebフレームワークの「AngularDart」関連では、Dart EditorでAngularのコード自動補完をサポートするようになった。Angularの解析とリファクタリングも利用できるという。

Dart
https://www.dartlang.org/