組み込み端末向け「Boot to Qt」、「Qt Enterprise Embedded」としてリリースへ

 フィンランドDigiaは10月24日、「Qt Enterprise Embedded(Qt EE)」を発表した。これまで「Boot to Qt」として開発が進んでいた組み込み向けソフトウェア開発ツールで、Qtの商用サービスユーザーは無料でアクセスできる。30日間無料トライアルも用意される。

 Qt EEは約1年前に同社内のQt R&Dラボで開始したプロジェクト「Boot to Qt」を含む組み込みデバイス向けのソフトウェア開発ツール。Boot to Qtは組み込み端末向け開発の手間をなくし、すぐにスタートできることを目指し、完全統合されたソリューションを提供するという。

 開発対象のハードウェアにインストールする軽量のBoot to Qtソフトウェアスタック(バージョン1)と、Linuxデスクトップにインストールして利用する開発環境で構成される。これに、Qt Enterprise Contorols、Qt Libraries、Qt Enterprise Add-Onなど既存のQt組み込み技術を組み合わせた。これにより、開発者はQtでのアプリケーション開発にフォーカスできる。開発対象となる組み込み機器のOSとしてはAndroidおよびLinuxをサポートする。マウスやキーボード、タッチパネルなどのサポートもある。

 開発環境にはQt Creator、エミュレーターのQt Enterprise Embedded Emulatorなどが含まれており、Ubuntu Linux 12.04 LTS(64ビット)以降で動作する。Qt Enterpriseライブラリを利用してQt Creatorで開発し、デバイスに直接実装するなどのことが可能。開発したアプリケーションはデスクトップとモバイルでネイティブに実装できるという。

 開発対象となるハードウェアとしては「Google Nexus 7」や「Beagle Board xM」、「Raspberry Pi Model B」などが挙げられている。カスタムハードウェアへの移植も可能という。

Qt Enterprise Embedded
http://qt.digia.com/qtenterpriseembedded

Qt
http://qt.digia.com/

フィンランドDigia
http://www.digia.com/