「OpenGL 4.4」および「OpenCL 2.0」が発表される
標準化団体The Khronos Groupは7月22日(米国時間)、マルチプラットフォームに対応するグラフィックAPI「OpenGL 4.4」の仕様と、並列プログラミング仕様「OpenCL 2.0」の暫定仕様を発表した。共にプロジェクトのWebサイトで公開している。
OpenGLはクロスプラットフォームの2D/3Dグラフィックス処理API群。OpenGL 4.4は2012年8月に公開された4.3に続くもので、最新のグラフィック機能を取り込みつつ後方互換性も維持する。
注目される変更点としては、MicrosoftがWindows向けに開発している3DグラフィックスAPI「Direct3D」を利用するコードのOpenGLへの移植を容易にするいくつかの機能が追加された点がある。これにより、Direct3Dを利用するゲームやアプリケーションのMac OS XやLinuxへのポーティングが容易になるという。
このほか、グラッフィクとシステムメモリにおけるバッファの場所を明示的に制御することでメモリの柔軟性や効率性を改善できる機能や、GPUクエリの管理を簡素化する機能などが加わっている。これらの機能強化に加え、OpenGL 4.4ではドライバの互換性を調べるための正式なOpenGL認証テストが導入された。認証テストの導入はバージョン2.0以来とのことで、テスト対象となるOpenGLのバージョンは3.3から。さらにバージョン4.4以降はテストが必須となる。
OpenCLはCPU、GPU、DSPなどの異機種混在リソースを使った並列コンピューティングインターフェース。公開された次期2.0の暫定仕様では、ホストとデバイスカーネル間で共有する仮想メモリ、ジェネリックアドレス空間、C11/C++11でのメモリモデルやアトミック操作のサポート、sRGBなどのイメージサポートの強化などの特徴が盛り込まれている。OpenCL 2.0の仕様は6か月以内に最終策定する予定。
The Khronos Group
https://www.khronos.org/