OpenGL 4.1が登場、「Direct3D 11を超える機能」をうたう

 業界団体のThe Khronos Groupは7月26日(米国時間)、ロイヤリティフリーの2D/3DグラフィックスAPI「OpenGL 4.1」を公開した。OpenCLおよびOpen GL ESとの統合などの強化が加わっている。

 OpenGLはLinuxやWindows、Mac OS Xを含むUNIXなどさまざまなOSで使用できるグラフィックAPI。、Khronos GroupのArchitecture Review Board(ARB)作業部会が定義している。バージョン4.1は、3月にバージョン4.0を公開以来のアップデートで後方互換性もある。2年で6回目のアップデートとなる。

 OpenGL 4.1ではより冗長なエラーハンドリング機構が搭載され、不安定なプログラムでも安全に実行できるという。デバッグ機構も強化されたほか、シェーダープログラムのセーブ/リストア機能も追加されている。

 シェーダープログラムはハードウェア非依存の言語で記述されたプログラムをGPU固有のハードウェアで高速に実行する機構で、従来は実行時に毎回OpenGLドライバ側がシェーダープログラムをコンパイルしてGPUに転送していた。OpenGL 4.1で追加されたセーブ/リストア機能を利用することでコンパイル結果をキャッシュでき、シェーダープログラムを利用する際のオーバーヘッドを軽減できる。

 OpenGL 4.1ではOpenGLのクロスプラットフォーム性も強化され、組み込み向けのOpenGL ESと完全な互換性を実現した。OpenGL ESはiPhoneやPlayStation 3、WebGLなどで採用されており、デスクトップ向けアプリケーションをモバイルや組み込み環境により容易に移植できるようになっている。

 また、OpenGL 4.1にはOpenCLのイベントオブジェクトとリンクできるOpenGL同期オブジェクトを提供したり、レンダリング機能の向上などを実現するARBエクステンションも含まれている。

 OpenGL 4.1の最新仕様は、The Khronos GroupのOpenGLプロジェクトページより入手できる。

The Khronos Group
http://www.khronos.org/

「OpenGL」プロジェクト
http://www.opengl.org/