計算デバイス分割やDirextXサーフェス共有が可能になった「OpenCL 1.2」登場
標準化団体のThe Khronos Groupは11月15日(米国時間)、並列プログラミングに向けた標準規格「OpenCL 1.2」の仕様を公開した。バージョン1.0および1.1との後方互換性を維持しつつ、計算デバイスの分割利用やカスタムデバイス対応といった新機能を追加した。
OpenCLは並列プログラミングのためのクロスプラットフォームな標準規格で、PCからサーバー、携帯デバイスまで、さまざまな環境をターゲットとしている。CPUやGPU、DSPなど、さまざまなデバイスを統一して扱えるのが特徴。
最初の仕様を提案したのは米Appleで、現在は米NVIDIAのNeil Trevett氏が作業部会を率いる。米AMD、英ARM、米Intel、フィックスターズなどが支持を寄せている。
OpenCL 1.2は、2010年6月の1.1公開から1年半を経てのリリースとなった。OpenCL 1.0および1.1との後方互換性を保ちつつ、新機能としてデバイスをサブデバイスに分割し、サブデバイス単位で処理を割り当てられる「デバイスパーティショニング」や、オブジェクトの分割コンパイルおよびリンク対応、画像サポートの強化、ビデオエンコーダやDSPといったプログラム可能でないカスタムデバイスをOpenCLから利用するための機構、DirectX 9および11のサーフェスやメディアをOpenCLと共有するための機能などが追加されている。
The Khronos Group
http://www.khronos.org/