「OpenGL 4.3」および「OpenGL ES 3.0」が発表される

 標準化団体The Khronos Groupは8月6日(米国時間)、グラフィックAPI「OpenGL 4.3」および組み込み機器向けグラフィックAPI「OpenGL ES 3.0」(開発コード「Haiti」)を発表した。テクスチャフォーマットの共通化などが特徴となる。

 OpenGLはクロスプラットフォームの2D/3DグラフィックスAPI。仕様がオープンに公開されており、高速かつ高精度なグラフィックス描画を行えるのが特徴。対応GPUも各社からリリースされている。

 OpenGL 4.3では、新しい機能やアプリケーションのパフォーマンスを向上させる機能などが含まれているという。具体的には、GPUの並列演算機能を活用するシェーダー演算や大量のデータを扱えるシェーダーストレージバッファ、高品質なテクスチャ圧縮機構などが挙げられている。

 また、OpenGL ESはOpenGLの組み込み機器向けサブセットで、スマートフォンやタブレットで用いられるGPU向けに最適化されている。iPhoneやAndroidといったモバイルプラットフォームやゲーム機などでサポートされている。

 OpenGL ES 3.0は、2007年に公開されたバージョン2.0以来のメジャーアップデートとなり、2.0との後方互換性も維持されている。レンダリングパイプラインにおけるオクルージョンクエリやトランスフォームフィードバックといった高度なビジュアルエフェクトのアクセラレーションに関する強化や高品質なテクスチャ圧縮機構といった新機能が追加されている。

 テクスチャ機能も改善され、浮動小数点テクスチャ、デプス・テクスチャ、頂点テクスチャ、NPOTテクスチャなどをサポートする。また、GLSL ESシェーディング言語(「GLSLES」)も最新となり、整数と32ビット浮動小数点オペレーションに対応した。

 なお、OpenGL 4.3およびOpenGL ESの両方でETC2/EACテクスチャ圧縮が標準機能として実装され、各プラットフォームごとにテクスチャセットを揃える必要がなくなっているという。

 OpenGL ES 3.0の仕様はKhronos GroupのWebサイトより入手できる。OpenGL ESの作業部会は6ヶ月以内に「Open GL ES Adopter’s Program」をアップデートし、最新版向けの準拠テストを提供する予定という。

 また、同時に次世代のテクスチャ圧縮技術である「Adaptive Scalable Texture Compression(ASTC)」もリリースされている。

The Khronos Group
http://www.khronos.org

OpenGL ES
http://www.khronos.org/opengles/