新たに「Blink」エンジンを搭載した「Google Chrome 28」リリース

 米Googleは7月9日、WebブラウザGoogle Chromeの最新安定版「Google Chrome 28(28.0.1500.71)」を公開した。Mac版とWindows版が同社のWebサイトよりダウンロードできる。

 Chrome 28は5月後半に公開されたバージョン27以来の安定版となる。本バージョンでは、Webページのレンダリングエンジンが従来のWebKitから「Blink」に変更されているのが特徴となる。BlinkはGoogleがWebKitからフォークさせて開発を進めるレンダリングエンジンで、同社がイニシアチブを取ることでよりChromeの「マルチプロセスアーキテクチャ」に適した改良が加えられるとされている。

 Blinkの採用で、Webページの読み込みが約10%高速になったという。マルチスレッドHTMLパーサーも導入、解析操作の停止を低減することで、表示までの時間も最大40%短縮されるとのこと。JavaScriptエンジン「V8」の最適化も図られている。

 機能面では、Windows版に「Rich Notification」が導入された。これは写真や画像、URL、テキストなどのコンテンツが含まれた通知をポップアップで表示するもの。対応するWebサイトやChromeアプリケーション、拡張機能から利用できる。すでにGmail、Google Calendarやニュースサイトなどが対応しており、設定画面で通知を許可するかどうかを設定できる。Mac版とLinux版は未対応だが、間もなく対応予定としている。

 そのほか約15件の脆弱性修正も行われた。このうち、1件はネットワークソケットのuse after free脆弱性に関するもので、重要度は最も高い「Critical」と分類されている。Chromeはバグ発見者に報奨金を支払うプログラムを提供しており、今回は合計で3万4900ドル以上が支払われるという。

 また、Google Chromeに同梱されるAdobe Flash Playerプラグインも「Flash Player 11.8.800.97」にアップデートされている。

Google Chromeのダウンロードページ
https://www.google.com/intl/en/chrome/browser/