高速JavaScriptエンジン「IonMonkey」を搭載した「Firefox 18」登場
Mozillaは1月8日、Firefoxの最新版「Firefox 18」をリリースした。新たなJavaScriptエンジン「IonMonkey」の搭載によりJavaScriptの実行速度が大幅に高速化されたという。また、Mac OS X 10.7以降でのRetina DisplayサポートやWebRTCのサポートなども行われた。Android版も同時にリリースされている。
Firefox 18は2012年11月後半にリリースされたバージョン17に続く最新版。大きな新機能としては、より高速なJavaScriptエンジン「IonMonkey」の搭載が挙げられる。従来のJavaScriptエンジン「SpiderMonkey」を置き換えるもので、9月に公開されたFirefox 18のアルファ版で導入され、本リリースでついに正式版に統合された。これにより、Webアプリケーションやゲームの実行速度が最大で25%も高速化されるという。Mozillaは速度を体感する目的でHTML5やWebGL、JavaScriptといった技術を使って作成した3DのWebゲーム「BananaBread」も公開している。
そのほかの新機能としては、まず音声や動画のリアルタイムコミュニケーションプロトコルである「WebRTC」の初期サポートが行われた。WebRTCを利用して通話やチャットといったリアルタイム通信を行うWebアプリケーションを実現できる。また、Mac OS X 10.7以降でのRetina Displayサポートも行われた。動画の閲覧やゲーム、Webブラウジングなどでより鮮明な画面表示が可能になる。
タブ切り替え関連の性能強化やHTMLのスケーリングアルゴリズムの改良による画像品質の改善、HTTPSでの接続時に安全でないコンテンツのロードを禁止する機構の実装やプロクシ利用時の反応改善も行われている。そのほか開発者向けの機能としては、DOMプロパティ「window.devicePixelRatio」の対応、CSS3 Flexbox実装、CSSの@supportsの適用サポートなどの強化が行われている。HTML5ではMozTouchイベントを廃止し、W3Cの規格に準拠したTouchイベントが実装された。
Android版では、Awesome Barへの入力時に検索キーワードを提案するサジェスチョン機能が加わった。セキュリティ対策も強化され、マルウェアやフィッシングに利用されていると思われるサイトを訪問するとユーザーに警告する。このような「セーフブラウジング」機能を有効化した初のモバイルブラウザになるとのこと。
Mozilla
http://www.mozilla.org/
「Firefox 18」ダウンロード
http://www.mozilla.org/en-US/firefox/new/