「Web app」サポートや開発者向けツールバーの導入などが行われた「Firefox 16」リリース

 Mozillaは10月9日、オープンソースのWebブラウザ「Firefox 16」を公開した。ローカルにインストールして実行できる「Web app」サポートが実装されたほか、ツールバー「Developer Toolbar」の導入など開発者向け機能も強化されている。

 Firefox 16は、8月末にリリースされた「Firefox 15」以来の最新安定版。Firefoxは約6週間おきに新バージョンをリリースする方針をとっており、このリリースサイクルに基づくリリースとなった。

 Firefox 16ではまずWeb app(Webアプリケーション)の初期実装が導入された。Web appはデスクトップにインストールし、Firefoxから独立して動かすことができるアプリケーション群。MozillaはWebアプリケーションを集積・提供する「Mozilla Marketplace」を2月に発表しているが、まだ一般には公開されていない。

 JavaScriptエンジンも改良されており、バックグラウンドで動くガベージコレクションの短縮、高速化を行うインクリメンタルガベージコレクションの実装によってJavaScriptのレスポンスが改善されるという。このほか、Mac OS X版ではテキストの音声読み上げ機能「VoiceOver」の限定的サポートがデフォルトで有効となった。

 また、開発者ツールにアクセスできるボタンやコマンドラインインターフェースを備えるツールバー「Developer Toolbar」が新たに搭載された。このツールバーはブラウザ下部に表示される。グラフィカルなコマンドラインインターフェースでアドオンの操作やスクリーンショットの取得、HTMLのエクスポートといった操作を実行でき、開発作業の効率を改善できるとしている。JavaScriptエディタ「Scratchpad」も改善し、「最近開いたファイルを開く」の機能が加わった。

 開発関連ではこのほか、CSS3のAnimationsやTransitions、Transforms、Gradientsなどに関連するCSSプロパティにベンダー接頭辞(「-moz-」)がなくなった。Mozillaが開発に携わったというBattery APIとVibration APIについても、ベンダー接頭辞が外れたという。

 同日、モバイル向けとしてAndroid版「Firefox for Android」も公開した。スマートフォンやタブレットの画面でWebページを読みやすく表示するリーダーモードの導入などが特徴となる。

 FirefoxはMozillaのWebサイトなどからダウンロードできる。デスクトップ版の対応OSはWindows XP SP2以降およびVista、7、Windows Server 2003、Mac OS X 10.7以降、各種Linuxで、モバイル版の対応OSはAndroid 2.2以上。モバイル版についてはWebサイトに対応機種一覧が公開されている。

Mozilla
http://www.mozilla.org/