米Red Hat、仮想化ソリューション最新版「RHEV 3.1」を発表

 米Red Hatは12月5日、仮想化ソリューションの最新版「Red Hat Enterprise Virtualization 3.1」をリリースした。「Red Hat Storage」との統合、拡張性の強化や管理画面の一新などが特徴となる。

 Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)は、仮想化技術としてKVM(Kernel-based Virtual Machine)を採用するオープンソースの仮想化基盤ソフトウェア。米VMwareのvSphereに対抗するもので、ロードバランシングや高可用性などのエンタープライズ向け機能、セキュリティなどを特徴とする。カーネルにはRed Hat Enterprise Linux(RHEL)のカーネルを軽量化したものを使用。またRHEVの仮想化環境は RHELで採用されているKVMによる仮想化環境と互換性があり、共通のABI(Application Binary Interface)互換性を持つ。

 RHEV 3.1は2012年1月にリリースしたバージョン3以来のアップデートとなる。メインプラットフォームでは、ゲスト仮想マシンの拡張性を強化し、仮想マシンあたり最大160の論理CPU、2TBのRAMをサポートする。また、KVMのアップデートによりx86プロセッササポートが強化されている。

 また、スケールアウト型のNASソリューション「Red Hat Storage」との統合も行われている。Red Hat StorageはGlusterFSを土台とし、ファイル、オブジェクト、構造化データ、非構造化データを管理できるソフトウェア。これにより、Red Hat Storageが管理するストレージプールへのアクセスが可能になる。

 ユーザーインターフェイス改善も大きな特徴で、Web管理ポータル画面やレポートダッシュボードの改善が行われている。ユーザーポータルも強化し、リソース管理によりテスト/開発などのクラウド利用のためのセルフサービス機能が加わった。仮想マシン向けストレージマイグレーションも技術プレビューとして組み込んだ。起動中の仮想マシンのバックアップディスクイメージをSAN間で動かすライブマイグレーションが可能となる。VDI機能も強化し、仮想デスクトップ自動スタートポリシーやWAN最適化が加わった。

 RHEV 3.1は既存顧客向けに提供を開始、3ヶ月の無料トライアル版も用意する。

米Red Hat
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