「運用フェイズ2」に入ったRed Hat Enterprise Linux 5.9リリース

 米Red Hatは1月8日(米国時間)、Ret Hat Enterprise Linux(RHEL) 5系の最新版「Red Hat Enterprise Linux 5.9」をリリースした。Microsoft Hyper-Vドライバの統合、OpenJDK 7対応などの新機能が加わっている。5.9リリースにより、RHEL 5系は大きな新機能追加を行わない「Production Phase 2(運用フェイズ2)」に入る。

 RHEL 5.9は2007年に公開したRHEL 5系の最新版で、2012年2月に公開されたRHEL 5.8以来のマイナーアップデートとなる。

 Red Hatは2012年1月に製品サポートサイクルを変更しており、サポート期間が7年から10年に延長されている。新サポートサイクルでは製品リリースから最初の5年が「運用フェイズ1」となり、新規ハードウェアサポートを含めた新機能の導入が行われる。「運用フェイズ2」では大型な新機能の導入は行われず、新しいハードウェアのサポートのみが必要に応じて行われる。その後、セキュリティメンテナンスが中心の「運用フェイズ3」となる。RHEL 5.9リリースにより、RHEL 5系は運用フェイズ2に入ることになる。なお、RHELの最新版は2012年6月にリリースされたRHEL 6.3となる。

 RHEL 5.9での新機能としてはHyper-V対応がある。ネットワークドライバー「hv_netvsc」など各種Hyper-Vドライバーの統合により、WindowsホストのクラウドでのRHELの稼働などマルチベンダー/異機種混在環境での利用を改善するという。

 開発者向けではOpenJDK 7のサポートがオプションで加わったほか、システム診断・追跡ソフトウェアのSystemTapのバージョンが1.8となった。SystemTap 1.8ではIPv6サポート、コンパイルの高速化、モジュールの小型化といった多数の機能強化が図られている。ログツールrsyslogはバージョン5にアップデートされ、SambaもSMB2サポートなどが加わったバージョン3.6になった。

 これらに加え、セキュリティやサブスクリプション管理、ハードウェアサポートも強化されている。

米Red Hat
http://www.redhat.com/