グラフデータベースシステム「Neo4j」、最新版となるバージョン1.8がリリースされる
グラフデータベース「Neo4j」開発チームは10月2日、最新版となる「Neo4j 1.8」をリリースした。クエリ言語「Cypher」の強化が行われ、Cypherでのグラフデータ作成機能などが実装されている。
グラフデータベースは、グラフ状の構造を持つデータを格納するデータベースシステム。グラフのノード(頂点)およびエッジ(枝)部分にそれぞれデータを格納できるのが特徴。Neo4jはJavaで書かれたグラフデータベースで、堅牢なデータベースの持つ機能をすべて備え、リレーショナルデータベースの1000倍以上の性能を実現するという。プロジェクトはスウェーデンNeo Technologyの支援を受けている。
Neo4j 1.8は4月に公開されたバージョン1.7に続くリリースとなり、Neo4j用のクエリ言語「Cypher」に新たにグラフデータ作成やインデックス更新、更新などの機能が追加されている。Cypherは宣言、パターンマッチ、クロージャなどの機能を持ち、クエリを簡素化する目的で作成された言語。Cypherから直接グラフデータが作成できるようになることで、利便性やグラフデータ作成体験が改善されるという。
このほか、HA(ハイ・アベイラビリティ)クラスタでダウンタイムなしのアップデートを可能とするローリングアップグレードサポートやREST APIリクエストに対するレスポンスの高速化、neo4j shellでの明示的トランザクションのサポートなども行われている。
無償のコミュニティエディション「Community」(ライセンスはGPLv3)はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードでき、ソースコードも公開されている。より高度な機能が搭載された「Advanced」(ライセンスはAGPL)、商用の「Enterprise」も用意されている。
Neo4j
http://neo4j.org