Opus対応などが加わった「FFmpeg 1.0」がリリース
マルチメディアライブラリ「FFmpeg」の開発チームは9月28日、新しいメジャーリリースとなる「FFmpeg 1.0」(開発コード「Angel」)を公開した。多数の新機能追加やバグフィックスが行われている。
FFmpegはコマンドラインで音声や動画の変換、録音・録画、ストリーミングが行えるマルチメディアフレームワーク。Cで実装され、さまざまなプラットフォームで動作する。最初のリリースは2000年で、12年の歴史を持つプロジェクトとなる。さまざまな動画/音声ファイル形式やコーデックをサポートするのが特徴で、音声/動画コーデックライブラリのlibavcodecをはじめ、メディアフィルタのlibavfilter、マルチメディアコンテナフォーマット向けマルチプレクサとデマルチプレクサのlibavformatなど複数のライブラリから構成されており、さまざまなマルチメディア関連アプリケーションでバックエンドとして使われている。ライブ配信向けのストリーミングサーバー「ffserver」やアナライザ「ffprobe」といったツールも提供する。
FFmpeg 1.0は、0.11系からのメジャーアップグレードとなるバージョン1系最初のリリース。0.11系では5月に0.11.2が公開されている。本リリースではまず、多数のオーディオフィルター、デコーダーが追加されている。デコーダーでは先にIETF標準となったオーディオフォーマット「Opus」のサポートや、「iLBC」のエンコード/デコードサポート、libfdk-aac(スダンダロンのFraunhofer FDK AACライブラリ)経由でのAACエンコードサポートなどが追加されている。
ストリーミング関連では米Adobe SystemsのReal-Time Messaging Protocol(RTMPS)をはじめ、RTMPTS、RTMPE、RTMPTEの各プロトコルをサポートした。RealTextサポートなど字幕(サブタイトル)関連やフィルタも強化されている。ffprobeテスト依存性の問題やmp3decの脆弱性も修正されている。
FFmpeg 1.0はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。基本コンポーネントのライセンスはLGPLv2.1だが、いくつかのオプションコンポーネントなどではGPLv2以降のライセンスとなっている。
FFmpeg.org
http://ffmpeg.org/