オープンソースのマルチメディアライブラリ「FFmpeg 1.2」リリース、ハードウェアアクセラレーションサポートが進む

 オープンソースの音声/動画録音・変換ライブラリ「FFmpeg」開発チームは3月15日、最新版となる「FFmpeg 1.2」(開発コード「Magic」)をリリースした。プロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

 FFmpegは音声および動画のデコード/エンコードやフォーマット変換、mux/demux、ストリーミング配信などの機能を持つマルチメディアライブラリ。ファイルフォーマットの変換を行う「ffmpeg」やストリーミングサーバー「ffserver」、マルチメディアプレーヤー「ffplay」、ストリームアナライザ「ffprobe」などのツールで構成され、多くのマルチメディアアプリケーションで採用されている。各種コーデックやフォーマットを扱うためのベースとなる機能はlibavcodecやlibavutilといったライブラリとして開発されており、これらも公開されている。ライセンスはGPLまたはLGPL。

 FFMpeg 1.2は、1月に公開したバージョン1.2に続くメジャーリリースとなる。GPUのハードウェアアクセラレーションを活用して動画のデコードなどを行うための規格「VDPAU(Video Decode and Presentation API for Unix)」対応が進んだほか、Chained OggやTheora Midstreamの再設定、SRTP(Secure Real-time Transport Protocol)のサポートなどが行われている。cdma2000無線方式で利用される音声符号化方式のEVRC(Enhanced Variable Rate Codec)のデコードも可能となった。暗号化されたTTAストリームのデコード対応も加わった。

 ASF形式ファイルでのID3v2タグ対応や各種オーディオフィルタおよび字幕フィルタの強化、整数オーバーフローの脆弱性などセキュリティ問題を含むバグ修正なども行われている。

FFmpeg
http://www.ffmpeg.org/