オープンソースのマルチメディアフレームワーク「GStreamer 1.0」がリリース

 9月24日、オープンソースのマルチメディアフレームワーク「GStreamer 1.0」が公開された。エンドユーザーをターゲットにした初の安定版となる。

 GStreamerはC言語で実装されたマルチメディアフレームワークで、LinuxだけでなくWindowsやMac OS X、Solarisなど複数のプラットフォームに対応し、GNOMEアプリケーションを中心に利用されている。GLib 2.0オブジェクトモデルをベースとしたオブジェクト主導型のデザインやコンパクトなコアライブラリ、プラグイン機構、デバッグなどを特徴とし、オーディオや動画ファイルの再生やストリーミング、フォーマット変換、録音、動画のノンリニア編集などが可能。ライセンスはLGPL。0.10は2005年にリリースされた。

 1系初のリリースとなる1.0では、メモリ処理が柔軟になり、バッファ、イベントなどの配分の効率性が改善されている。バッファにメディア以外のメタデータを紐付けできるようになり、ケイパビリティ(caps)の互換性チェックと再チェックも強化されている。このほか、タイムスタンプ処理の改善など多数の機能強化が図られている。

 開発チームによると、1.x系のAPIとABIは0.10.x系と互換がないが、1.0は0.10系と共存してインストールできるという。アプリケーションを最新版に移植するためのポーティングガイドも用意している。

 GStreamer 1.0はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。開発中のFedora 18やUbuntu 12.10(コードネーム「Quantal Quetzal」)などにも含まれる予定。

GStreamer
http://gstreamer.freedesktop.org/