Software Freedom Conservancy、ライセンス遵守についてSamba、Linuxカーネル開発者と協業

 フリー/オープンソースソフトウェアプロジェクトを支援する非営利団体Software Freedom Conservancy(SFC)は5月29日、フリー/オープンソースプロジェクトのライセンス遵守に向けた取り組み拡大を発表した。すでに協業しているBusyBoxに加え、SambaとLinuxカーネルについても、すべての開発者やユーザー、一般に向けてライセンス違反を無くすよう取り組みを開始するという。

 SFCはSoftware Freedom Law Center(SFLC)が立ち上げた組織で、フリー/オープンソースソフトウェアプロジェクトの推進と保護を主な目的とする。27社が加入しており、ガバナンス、税務・会計、立ち上げ支援、基本的な法律面でのアドバイスなど、ソフトウェア開発以外のサービスを提供している。これによりメンバー企業は開発に注力できるという。

 これまで同組織はBusyBoxに対しライセンス遵守に向けた支援を行ってきたが、今回SambaおよびLinuxカーネル開発者とも共同で同様の取り組みを開始する。SFCは2009年、BusyBoxと共同でBusyBoxのライセンスに違反した家電メーカーを提訴している。

 SambaはGPLを採用しており、これまでSimo Sorce氏がライセンス遵守を担当してきたが、SFCと協業して取り組みを強化する。またLinux開発者についてはLinuxカーネル開発に貢献した著作権保有者7人で構成される「GPL Compliance Project for Linux Developers」プロジェクトを開始する。発起人は米Red Hat所属のMatthew Garrett氏で、今後もLinuxカーネルで著作権を保有する開発者の参加を募る。

 SFCはメンバー企業にフリーソフトウェアライセンスの遵守を呼びかけており、Evergreen、Mercurial、Wineといったプロジェクトとも同じ取り組みで協業するとしている。

Software Freedom Conservancy(SFC)
http://sfconservancy.org/