NoSQLの分散データベースシステム「Apache Cassandra」、バージョン1.1がリリースされる
Apache Software Foundation(ASF)は4月24日(米国時間)、分散データベースシステム「Apache Cassandra 1.1.0」を公開した。多数の機能強化を含むメジャーアップデート版となり、スキーマ更新やクエリ言語CQLなどが強化されている。
Apache CassandraはNoSQLに分類される列指向分散データベースシステムで、拡張性、高可用性、性能などを特徴とする。もともとは米Facebookで開発された技術で、同社が2009年にASFに寄贈、2010年2月にトップレベルプロジェクト(TLP)となった。米Adobe Systems、米Digg、米Netflixなど多数の導入実績を持ち、最大の実装事例では400台以上のマシンで構成したクラスタで300テラバイト(TB)以上のデータを運用しているという。ライセンスはApache License 2.0。
今回公開された1.1.0は、2011年10月に公開されたバージョン1.0以来のメジャーアップデートとなる。大きな変更点としては、スキーマの更新が大きく変更され、並列アップデートの際のコンフリクトが自動的に解決されるようになった点や、バージョン0.8で加わったクエリ言語CQL(Cassandra Query Language)が大きく改良されてバージョン3.0になった点が挙げられている。デフォルトではCQL 2.0が使われるが、接続時に明示的にCQL 3.0を使用するように指定することで利用可能となる。
CQL 3での大きな変更点は、CREATE TABLE文で複数列をプライマリキーに設定できるようになった点だ。また、そのほかにも細かい修正点が多数あるとのこと。
また、Cassandra 1.0では複数の列に対してUPDATE処理を行った直後にSELECT処理を実行した場合、更新した列要素の一部が反映されない可能性があったが、Cassandra 1.1ではすべての要素が反映されるように変更されている。データベースファイルの配置もより柔軟になっている。
このほか、キャッシュやストレージ制御、Apache Hadoop統合などの強化や、バグ修正も行われている。
Apache Software Foundation(ASF)
http://www.apache.org/
Apache Cassandra
http://cassandra.apache.org/