仮想ノードが加わった「Apache Cassandra 1.2」
Apache Cassandraの開発チームは1月2日、分散型データベースシステム「Apache Cassandra」の最新版となる「Apache Cassandra 1.2」をリリースした。今まではβ版という位置付けだったクエリ言語「CQL 3」が正式版となったほか、より高密度なシステムの構築を支援する機能が導入されている。
Apache Cassandraは高速な処理を特徴とする分散型のカラム指向データベースシステム。元々は米Facebookが社内開発したものだったが、2009年にApache Software Foundation(ASF)に寄贈され、2010年よりトップレベルプロジェクト(TLP)として開発が進められている。米Adobe Systemsや米Cisco Systems、米eBay、米Twitter、米政府機関など多数の導入実績を持つ。
Apache Cassandra 1.2は、2012年4月にリリースされたバージョン1.1以来の最新版となる。Cassandraは比較的低スペックなマシンを多数利用することで処理性能を向上させる構成を得意としていたが、Cassandra 1.2ではより多くのメモリやストレージを搭載したマシンを利用する構成でも効率的に動作するように改良が加えられているという。大きな変更点としては、仮想ノード(vnode)の作成機能が挙げられる。仮想ノードは1つのマシン上に複数作成でき、またほかのサーバーからのレプリカからより高速に再構築ができる点が特徴。これを利用することでクラスタ管理を効率化できるほか、サーバーに障害が発生した際の復旧も容易になり、全体的なパフォーマンスも向上するという。
アトミックバッチもサポートされ、大規模なトランザクションにおけるエラー発生時のロールバックが可能となった。デフォルトでは有効となっているが、必要に応じて無効にできる。リクエスト追跡などの機能も加わり、既存機能も強化した。これらに加え、Cassandra 0.8で加わり、1.1でバージョン3にアップデートされたクエリ言語CQL(Cassandra Query Language)3が正式版となっている。
Apache CassandraはプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはApache License 2.0。
Apache Software Foundation(ASF)
http://www.apache.org/
Apache Cassandra
http://cassandra.apache.org/