Apache Cassandraチーム、多数の変更を含むメジャーアップデート版「Apache Cassandra 1.0」をリリース

 The Apache Software Foundatino(ASF)の分散データベースApache Cassandra開発チームは10月18日(米国時間)、初の正式版「Apache Cassandra 1.0」を公開した。パフォーマンスの向上やメモリ使用量の削減など、多数の変更点が加えられている。

 Apache Cassandraは列指向の分散データベース管理システムで、大規模なワークロードをリアルタイムで取り扱うことができる。拡張性や信頼性に優れ、毎秒5000のリクエストに対応できるという。もともとは米Facebookで開発された技術で、2009年にASFに寄贈、2010年にASFのトップレベルプロジェクト(TLP)となった。Facebookのほか、米Twitter、米Cisco Systems、米Diggなど多数の導入実績を持つ。

 1.0では、キーを管理するSSTable(Sorted String Table)で圧縮がサポートされ、カラムファミリー毎のデータ圧縮が可能となった。ディスク上のデータのボリュームを削減し、ノードのストレージ容量を最大化できるという。圧縮したSSTableブロックはチェックサムにより保護される。機能はデフォルトでは無効で、compression_optionsから設定できる。

 また、米Googleのキーバリューストア「LevelDB」に似た圧縮アルゴリズムをオプションで利用可能となった。オフヒープキャッシュ、自動チューニングなどメモリ管理を改善し、ディスクスペース管理も強化されている。Hinted Handoffも改善され、読み込みの性能を強化するという。Windowsサービスとしての運用も可能となった。

 Apache Cassandra 1.0はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。0.7.1以降および0.8.2以降からのアップデートはクラスタ全体を停止させずにノードごとのアップデートが行えるとのこと。ただし、0.8.0および0.8.1は1.0とのネットワーク互換性がないため、これらを利用している場合はまず0.8系の最新版へのアップデートが必要。

The Apache Software Foundation(ASF)
http://www.apache.org/

Apache Cassandra
http://cassandra.apache.org/