楽天技術研究所発、Amazon S3互換の分散型ストレージシステム「LeoFS 0.9.0」がリリースされる
7月4日、オープンソースの分散型オブジェクトストレージシステム「LeoFS 0.9.0」がリリースされた。Amazon S3互換のAPIを提供するオブジェクトストレージシステムで、Erlangで実装されている。高信頼性、高スケーラビリティ、高パフォーマンスを特徴とするという。動作環境はDebian GNU/Linux 6.0およびUbuntu Server 12.04 LTS、CentOS 6.xなどのLinux。
LeoFSは複数のストレージサーバーを組み合わせて巨大なネットワークストレージを構築するためのオブジェクトストレージシステム。Amazon S3互換のAPIを提供し、クライアントはHTTP(REST)でストレージにアクセスできる。SPOF(Single Point of Failure、異常が発生するとシステム全体に障害が発生するようなコンポーネント)を持たず、1部分に障害が発生しても動作し続けられる高信頼性や、動的にノードを追加/削除でき、100ノード以上の大規模構成にも対応する高スケーラビリティ、そして高いパフォーマンスが特徴だという。ライセンスはApache License 2.0。
LeoFSはクライアントからの要求を受け付けるほか、キャッシュ機構も備える「LeoFS-Gateway」と、データを格納するメタデータ付きオブジェクトストレージ「LeoFS-Storage」、ファイルマネージャやノードの状態監視、ログ検索といった機能を持つWebコンソール「LeoFS-Manager」から構成される。これらは別のマシン上で稼働でき、それぞれを複数台で構成させることも可能。クライアント-LeoFS-Gateway間はRESTで通信するが、LeoFSのそれぞれのコンポーネント間はErlangのRPCを用いて通信するという。
LeoFSのソースコードはGitHubのプロジェクトページよりダウンロードできる。現在はDebian GNU/Linux 6.0およびUbuntu Server 12.04 LTS、CentOS 6.xをターゲットに開発されているが、それ以外のLinux環境でも動作するだろうとのこと。動作にはErlang R14B04のほか、いくつかのErlangライブラリが必要。また、LeoFS-Storageを動かすノードではデータ格納用ストレージとしてXFS形式でフォーマットされたストレージが必要。
LeoFS
http://www.leofs.org/
楽天技術研究所
http://rit.rakuten.co.jp/