Linux 3.0がついにリリース、バージョン番号付けルールが変更に
Linus Torvalds氏は7月21日、Linux Kernel Mailing List(LKML)で「Linux 3.0」のリリースを発表した。元々はカーネル2.6.40として開発が進んでいたもの。バージョン番号が3.0に変わったのみで、Torvalds氏曰く「大きな変化はない」というリリースとなる。
Torvalds氏は5月、Linux20周年記念とバージョン番号の煩雑さなどを理由に、2.6系に終止符を打ち、当時開発していた2.6.40から3.0系をスタートさせることを決定した。3.0以降では3桁目は安定版リリース用となるため、最新のカーネルは「3.0.0」ではなく「3.0」となり、次期版は「3.1」となる。安定版は「3.0.1」、「3.0.2」……と続くことになる。
ドライバアップデート以外のカーネル3.0の特徴としては下記が挙げられる。
- ファイルシステム「Btrfs」で自動デフラグやファイルシステムの整合性をチェックする「Scrubbing」をサポート、パフォーマンスも改善
- 新システムコール「sendmmsg()」のサポート
- デフォルトでXenのdom0をサポート
- ページキャッシュ性能の向上が期待できる「Cleancache」機能
- Berkeley Packet Filterでjust-in-timeフィルタリングをサポート。フィルタルールのロード時にルールのコンパイルを行うことで性能が向上する
- Wake on WLANのサポート
- ICMP_ECHOメッセージの送信およびICMP_ECHOREPLYメッセージの受信に特権が不要となった
- ネームスぺースハンドリングに利用できる「setns()」システムコールのサポート
- 新たなタイマ機構「Alarm-timers」
そのほか、多数の新ドライバや既存機能の改良などが行われている。
Torvalds氏はカーネル3.1の見通しについても述べている。それによると、通常通り2週間のマージウィンドウを予定しており、「静かなものになるだろう」との予想を示している。
LKML
https://lkml.org/