Linuxカーネル3.2がリリースされる

 Linus Torvalds氏は1月4日、Linuxカーネル3.2のリリースを発表した。Ext4ファイルシステムでのブロックサイズ拡張やプロセススケジューラの改良、Qualcommの「Hexagon」プロセッササポートなど、多くの新機能が追加されている。

 休暇をはさんだためリリースが少し遅れた、とTorvalds氏は説明しているが、前バージョン(Linuxカーネル3.1)ではkernel.orgへの攻撃によって開発およびリリースに支障が生じたこともあり、Linuxカーネル3.2では多数の変更が盛り込まれている。

 Linuxカーネル3.2での主要な変更点としては、まずExt4ファイルシステムにおけるブロックサイズの拡張が挙げられている。x86環境ではExt4ファイルシステムのブロックサイズは最大4KBだったが、これが最大1MBにまで拡張された。また、Btrfsも改良され、ファイルシステムの整合性をチェックするscrub処理の高速化や重要なファイルシステムメタデータの自動バックアップ昨日、ファイルシステムを手動で分析するツールの提供といった改良が行われた。

 プロセススケジューラも改良され、各プロセスにおけるCPUリソース(Process bandwith)の利用量を制限できる「Process bandwith controller」が導入された。そのほか、Qualcommの「Hexagon」プロセッササポートやデバイスマッパーにおけるシンプロビジョニングおよび再帰的スナップショットの実験的サポート、ページ再要求時のファイルシステムへのライトバックを減らす「I/O-less dirty throttling」機能、TCPにおいてパケット消失が発生して通信速度が低下した場合でもそれを迅速に復帰させる「Proportional Rate Reduction」機能、プロファイリングツール「perf top」の改良、プロセス間でそれぞれが所有しているメモリを相互に読み書きできるようにする「Cross memory attach」機能などが大きな新機能となる。

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