正式版に向け安定性を強化、「MacRuby 0.9」リリース

 Mac OS Xのコア技術を組み込んだRuby開発環境「MacRuby」の最新版「MacRuby 0.9」が2月25日に公開された。MacRubyはMac OS Xのコアテクノロジを利用して実装されたRuby環境で、Mac OS X固有のテクノロジをRubyから利用できる。

 MacRubyはObjective-Cランタイム、ガベージコレクタ、LLVMコンパイラなどのMac OS X技術を用いてRuby 1.9を実装したもので、RubyでMac OS Xアプリケーションを開発できる。米Appleのフリーソフトウェアプロジェクトで、ライセンスはRuby Licenceを利用する。

 最新版は2カ月ぶりのリリースとなり、安定性、互換性、性能の改善にフォーカスした。クラッシュやメモリリーク、競合といった問題が改善され、小規模ではあるがパフォーマンスも向上しているという。

 また、文字列の内部表現がデュアルバイナリ/UTF-16から純粋なバイナリに変更された。これにより、マルチスレッドアプリケーションで発生する問題を回避できるという。MacRubyアプリケーションのデプロイツールであるmacruby_deployも強化され、RubyGemsとBridgeSupportファイルを組み込めるよう改善された。RubyGemsはバージョン1.4.2にアップグレードされている。

 MacRubyはバージョン0.8より、「Mac OS X 10.6(Snow Leopard)」以降に対応となっており、それより前のバージョンは対応していない。

 開発者はバージョン1.0の公開に向け、作業を集約させていく。方向性としては、新機能よりも安定性と互換性にフォーカスを絞るという。

MacRuby
http://www.macruby.org/